2021年6月16日、裁判官訴追委員会は、裁判官弾劾裁判所に対し、岡口基一裁判官を訴追しました。
同年7月29日、弾劾裁判所は、岡口氏の職務停止決定(「当裁判所の終局裁判があるまで、被訴追者の職務を停止する。」との決定)を出しました。
その後、参議院第二別館において、事前打合せが4回(2021年10月5日、12月15日、2022年1月21日、2月16日)にわたって行われました。
弾劾裁判所側は当初、2022年7月の参議院議員通常選挙で裁判員の顔ぶれが一部変わる可能性があるので、できればそれまでに終結したい、との意向を示していたものの、その後、本格的な審理は参院選後に持ち越したいという旨の方針変更が伝えられました。
訴追委員会の請求予定証拠については、一部が弁護人へ事前開示されたのみで、未だにすべての請求予定証拠の開示には至っていません。弁護人が「訴追事由との関連性なし」等の理由で不同意とした証拠書類の取扱いも決まっていません。
また、事前打合せでは、第1回公判が2022年3月2日午後1時30分から開かれ、冒頭手続(被訴追者の人定質問と、訴追委員会による訴追事由の朗読、訴追事由に対する弁護人からの求釈明、被訴追者と弁護人の陳述)を行うことが決まりましたが、審理対象を明らかにするために必要な、求釈明に対する訴追委員会の釈明は、第2回公判以降に持ち越されることになってしまいました。
その後は同年3月と4月に各1回の期日間打合せが予定されているのみで、第2回以降の公判期日も決まっていません。
弁護団(主任弁護人西村正治以下9名)の予想では、参院選までにあと2回程度の公判が開かれ、訴追委員会による冒頭陳述と証拠調請求、弁護人の証拠意見、そして弁護人が同意した証拠書類の取調べまで行われるが、訴追委員会の申請にかかる証人尋問は2022年9月以降に持ち越されるものと思われます。
以上のとおり、これまでの弾劾裁判には例をみないほど長期化することが予想されます。